希望を持てる未来にして行きましょう


2019年のコロナ感染症の影響が始まる前、決して景気が良かった訳ではありません。

ただ、ほとんどの業種で低迷はしていたけれど、景気の回復を待てる状況にあったように思います。コロナ禍においては、不安の中にあっても、給付型の補助金や助成金があり、資金繰りで何とか乗り越えられたところは多かったと思います。

そして、2022年末から徐々に給付型の補助金・助成金は無くなり、2023年3月にコロナ関連支援策はほぼ終了しました。7月には、ゼロゼロ融資の返済期限のピークを迎え、社会保険料や消費税の猶予特例を受けた事業者は、猶予した分の納付も求められ資金繰りが逼迫しているところが増加しています。

ゼロゼロ融資は、金融機関が借り替えの対応で大半の会社が救われているように思います。具体的には新規融資を伴うものは9月末までで終了するものの、12月まで借り換えによる返済猶予や条件変更の相談は受けて頂けるようです。

消費税の猶予特例分の納付も通常の換価猶予制度などを使いながら、実際に毎月少額でも納税する実績がありながら、早期に完納するために、資金繰りで納税の支払いを優先させているなどの姿勢を見せ、事業継続の中で滞納解消を図りたい。と国税や税務署の担当者に相談すれば応じて頂けているように感じます。

ただ、社会保険料の年金機構は、消費税の納付相談より厳しい徴収をしているように思います。基本は、消費税と同じように猶予特例の後に通常の換価猶予を使いながら相談に乗って頂けて、分納の納付に応じて頂けているのですが、消費税との違いは、消費税の徴収部門は、事業継続ありきで滞納解消を目指す事に協力的であるのに対して、社会保険料では、年金機構の担当者が、早期滞納解消ありきで事業継続はそちらの都合で関係ない。といった感じを受けます。

消費税も社会保険料も猶予特例を使って2年間もの納付を猶予して貰ったという事は、2年間分の納付額を、猶予期限が切れた後、通常の納付に加えて納付する事になります。それを、原則2年間で納付という事になれば、消費税も社会保険料も2年間約倍額を納付すべく支払え。という事です。猶予分の滞納解消が4年間となったようですから、少し状況が変わっていくかもしれません。倒産が増えない事を期待しています。

日本全体で、エネルギーや原材料の高騰、円安の影響で物価高となり、消費者が消費を抑えるマインドの中では、中小零細企業の事業者が、売上や利益が伸ばせる状況にありません。

税金や社会保険の猶予を受けたばかりに、その猶予分の滞納の解消が早期にされない事をきっかけにして、銀行口座や財産が差押えられ、事業者が倒産してしまう。そんな不条理な事が起こらない事を願うのと同時に、私の応援している支援先の会社では起こさせないように全力で対応していく所存です。

 

最近『景気が良くなる』というのは、『出来るだけ多くの人が、お金を使えるマインドになる』という事だと実感しています。特定の一部の会社や特定業種、行政機関だけが儲かっている社会は、そこに属している人しかお金を使う原資がなく、しかも消費は少ない。社会全体に循環しないのだから、社会全体が景気が良くなることはない。そこに気づけば、我々は対処の仕方も見えてくるのではないかと思います。

 

皆さんは『資産所得倍増計画』という岸田総理が提唱している政策をご存じですか。

家計の金融資産所得を拡大し、企業の成長投資の原資となることで、企業価値が向上し、家計の所得が拡大する『成長と分配の好循環』を目指す政策です。

具体的には、NISA口座数を3,400万口座に、投資額を56兆円にそれぞれ倍増させる目標を明記しており、資産運用収入そのものの倍増も見据えている。

政策の柱として、①NISAの抜本的拡充や恒常化、②iDeCo制度の改革、③中立的で信頼できるアドバイスの提供を促すための仕組みの創設、④雇用者に対する資産形成の強化、⑤金融経済教育の充実、⑥世界に開かれた国際金融センターの実現、⑦顧客本位の業務運営の確保の7本柱を上げている。とあります。

 

NISAもiDeCoも資金の運用(投資)によって収益を得ようとするものです。運用するのは、もちろん運用会社に預けて運用していくので、運用会社でかかる人件費や経費を差し引いて分配とせざるを得ません。公務員が無給で、諸経費も自費の持ち出しでやってくれる訳はありませんから。

リターンの原資は経費を差し引いた金額となります。各個人が所得税における税制優遇が受けられても私はちょっと本質的な仕組みからいって嫌悪感があります。

この①から⑦の政策は、景気循環の中で大多数の人がお金を使い、回しながら豊かになるのではなく、お金を循環させずに、グローバルな金融市場に使えるお金を預けて、金融資産を増やすことで豊かさを感じて下さい。ということですか。と思ってしまいます。

私は、皆がお金を使えて、回しながら豊かさを感じられる方がいいなぁ。と思います。

皆さんは、どう感じるでしょうか。

 


経営に活用できる「資金繰り表」無料ダウンロード実施中!