ファクトに基づく行動を意識する


多くの人が情報として共有するメディアの報道では、不安を煽られる事が多いです。グローバル視点で戦争等地政学的な影響の不安から、身の回りの自分の生活に直結する物価高騰、増税不安、実質賃金の減少、低所得者の増加まで。大局からすぐ傍にある生活まで不安を煽られます。
一方で、上場会社や大会社に区分される会社の業績の好調、日経平均株価も高値安定で更なる値上がりもあり得るという経済アナリストのコメント、企業業績好調と物価上昇を背景として、賃金アップが取りだたされ、最低賃金を1,500円まで上げるという言葉に代表される給与所得者の収入増。新NISAの推進で投資による資産形成の誘導。まるで景気が良くなって、多くの人が生活の豊かさを享受して来ているような報道です。

正反対の矛盾する報道を、私たちは情報として受け取っている事になります。

こんな時にこそ、自分の足元を把握して、情報に踊らされることなく、経営していく必要があります。そのために『使える!資金繰り表』を使って、社内にも、社外のステークホルダーにも協力を得られるようにして頂きたいのです。

報道によらず、ファクトに基づいて観察し、今の状況の異常さを確認し、あるべき姿をイメージしながら自分の立ち位置と、行くべき方向を自らの判断で進めて行きたいものです。

ここ9月から11月の3ヶ月は、セミナーで不動産を取り上げていますので、不動産のファクトに基づく観察をしてみましょう。

まずは、前提として経済規模としてGDPの推移を見ると、直近の4-6月期の実質成長率は1.2%で実額は558.6兆円と公表されていて、堅調に伸びているという指標があります。
次に総人口の推移をみると、2023年9月1日現在で概算値1億2,455万人。2019年に約1億2,650万人からの4年間は、急ピッチで人口が減少しています。

この堅調に伸びている経済環境と、急ピッチで人口減少が進む中、不動産価格は急上昇しています。

人口減少により、世帯数が住宅総数の増加速度より鈍化しているため、実需として使うための住宅という視点で考えると、不動産価格が上がるのは矛盾します。価格は下がるべきなのです。

実態と乖離した価格設定の状態。これをバブルと呼ぶのでしたよね。

かつてのバブルは、実態と乖離した価格設定が短期間での上昇が期待されて、短期間保有の転売で儲ける人がいました。
この表でも分かるように、実は2010年前後に購入し転売を始めた人の中には、かつてのバブルを今、同じように享受していた人がいたのです。報道に流されず、独自で観察して不動産を購入していた人達です。

そして、当然な帰結として、異常は正常に是正されていきます。使う人のいない余った不動産は、価値を持ち続けるとは思えません。バブルの崩壊も間近かもしれません。
この表でも分かるように、量的には充足し、居住者のいない住宅が増え続けているのですから。

国土交通省 住宅事情の変化と現状 より抜粋
https://www.mlit.go.jp/common/001036700.pdf

 

私達は、この不動産の状況を、報道で流布されるより早く気づいた訳ですから、不動産についての売り時、買い時、今後の不動産に対する考え方を間違わないようにしていきましょう。

<不動産価格指数(住宅)(令和5年6月分・季節調整値)> ※2010 年平均=100

国土交通省 令 和 5 年 9 月 29 日 不動産・建設経済局不動産市場整備課
不動産価格指数(令和5年6月・令和5年第2四半期分)を公表
~不動産価格指数、住宅は前月比1.7%上昇、商業用は前期比0.8%上昇~ より抜粋
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001632709.pdf

 

ご相談をお待ちしております。一緒に難局を乗り切って行きましょう!


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