今までの常識は通じない、知恵を絞って生き抜こう


資金繰り表を活用した経営が今こそ必要な時だと思います。

比較的安定した経済環境の中で、収束の見える、ある一定期間に起こった、業界や自社の個別要因の変化に対応するのであれば、月次の資金繰り表で、通年期のシミュレーションをすることで、期中に調達を含めた経営の判断をしていけます。

しかし、グローバルな経済環境の中で起こっている、コロナ影響の長期化、戦争による貿易網の滞留や分断による影響は、その収束に出口が見えないため、月次の資金繰り表では経営判断がしずらくなります。

事業規模が大きい会社は、出向を含めた組織再編が出来たり、縮小して耐え抜くことが出来ますが、中小・小規模の会社は、国や地方自治体の支援を頼りに事業を継続させることが精一杯となります。

その場合は、日繰り管理で、より綿密な資金繰り表の活用がお勧めです。生き抜くための日々の資金繰りを可視化していくことで、誇りある大事な自分の事業を守り抜ける策を、見つけられる可能性が高くなります。

実際に、私が関わらせて頂いている支援先企業様においては、2週間ごとに日繰りの資金繰り表を確認しながら、入出金計画を立てて、長引く国難の影響を耐え抜き、将来への希望を信じて事業を継続している会社様が数社あります。

これから、各支援金・助成金が終了していく中で、コロナ影響による支援で受けられていた返済猶予や、社会保険を含む各納税の猶予が打ち切られ、元金返済や猶予した税金の納税が必要になってきます。

コロナ影響が出始める前の2019年の業績と比べて、売上と利益を倍以上伸ばさなければ、この2年間に発生した財務バランスの悪化を改善することが出来ず、資金繰りは、より厳しくなると覚悟しなければなりません。

今の円安、食材の流通難、エネルギー不足の不安が、私たち個々に物価高という形で影響を及ぼしています。この状況で、消費者の需要が伸びるとは考えにくく、売上を上げていくのは厳しそうです。

また、金融情勢も低金利と中小・小規模事業者の倒産リスクの増大懸念を背景に融資をし難い状況に入っています。

私は、この状況を乗り越える為に、資金繰り表で本業の収支を見直し、黒字になる方策を模索しながらも、本業が黒字になる見込みがあるのであれば、思い切って会社をやり直す提案もしています。

『昔からある第二会社方式でしょ』と思われる方が、読者の中にはいると思いますが、今後の経済環境と金融情勢から考えると、今後しばらくの間は、業歴が長く信用を得ていた借入過多の会社より、確実に売上と利益が期待出来る新設の会社の方が融資し易いという判断になっていくと思います。実際に肌感覚では、既存の追加融資より、創業支援融資の方が受けやすく感じます。

コロナ支援策の目玉と言われていた事業再構築補助金も、旧事業からの脱却して、新しくやり直す事を国の支援方針としているように思えます。補助金の採択を得られないのは、私の力不足を棚上げしてるだけだと言われれば、真摯に受け止めますが、実際の感覚として、採択基準が分かりづらく、申請も困難で、誰しもが使える補助金ではないと思っています。

会社の99%を占める中小・小規模会社が儲かるような経済対策がなく、資金循環が悪化して貧富の差が広がる中で、賃金の上昇を声高に訴える人達が居ます。給与を出す会社の立場に立って、売上と利益をあげる事を声高に訴えてる人をお見掛けしません。

私が今までお会いした多くの経営者は、儲かっていれば、ちゃんと社員に給与や賞与として還元したいと思っている人ばかりです。沢山出したくても出せないのが現実だと思います。

上場会社を含む大企業は全法人の1%。1%の会社の最高益や配当の話と、全労働人口の70%以上を占める99%の中小・小規模会社を混在させて、賃金アップの話をするのはピントがずれていると個人的に思っています。

国や、政治家に期待して待っているより、我々は知恵を使って、主体的に生き抜いていく決意を持った方が良いように思っています。

一緒に頑張って行きましょう!お会いできる機会を楽しみにしています。


経営に活用できる「資金繰り表」無料ダウンロード実施中!