心の叫び『ぜんぶ社長のところに持ってくるなよ』


社員に対して経営者が必ず思うことだと思います。

『そんなことまで社長のところに持ってこないでくれよ、現場でそれぞれが責任もって対応して下さい。』

『ぜんぶを社長のせいにしないでください。』

という思いや発言は、良くあることではありませんか。一方、社員には社員の言い分として、任せるなら全部任せて欲しい。とか、承認を得ずに勝手なことをして怒られるのは理不尽だから社長に相談しているんだ。とか、まあ、言い分はあるのです。

ですが、社長が社員の要望を聞いて、ミスコミュニケーションを改善しようと思わない方が良いです。
個人個人思いがあるのだから無駄だ。という浅い話で結論付けている訳ではありません。
それをしようとすれば、会社が組織として強みを発揮して、売上と利益を上げていくことが出来なくなってしまうという現実が根底にあるからです。

社長が正しいと思うことを方針として社内に示し、社員に、社長と同じ方針でやるべきことをしてもらう事で、会社の目標や理念が達成されていきます。社員一人一人の理想を実現するために、個別に社長が出来ることはない。と言ってもいいと思っています。社長ができることは、社長個人の理想を実現することと、組織として目標や理念、理想を実現させていくことです。

社長が社員のためにできることは、会社の業績を組織として上げて、社員に給与や、福利厚生や、オフィス環境で還元していくことです。個々の思いに応えることではありません。

社長の立場と役割として、考え方と行動をとることと、社員がそれぞれの立場と役割として、考え方と行動をとることが一致することは残念ながらありえません。それぞれが、役割に応じた成果結果を出すために考え方と行動をとるからです。

 

経営者が『経営としての考え方を持ってくれよ』と社員に思う事があるでしょう。

実際に言葉に出している社長もいます。気持ちは分かるのですが、社員は、一所懸命に自分の仕事と思う範囲の中で頑張っている自負があります。経営者(会社)からの評価して欲しいという承認欲求でいっぱいです。もしくは、自分にこれ以上期待しないで欲しいというのも同じ承認欲求なのです。
経営者が会社として理想を求める仕事は、社会からの承認欲求や自己実現。社長個人としても同じでしょう。ですが、社員が理想として求める仕事は、会社からの承認欲求です。自己実現は自分で考えるから、会社や社長には関与して欲しくないくらい思っていると認識しましょう。

この違いを認識すると、経営者は、会社の中で孤独を感じることは、必然なんだな。と思えるのではないでしょうか。私は、孤独を感じず社員と同じ考えで仕事に望んいるという経営者は、会社が順風満帆で成長しているときは楽しいでしょうけど、会社の危機にあたっては、対処する責任をとることから逃げてしまう人になってしまっている。と感じています。責任を果たす相手が違うことを自覚しましょう。孤独を感じている今のままでいいんです。

経営者が会社として、社会の中で多くのステークホルダーである取引先、金融機関、株主、市場に成果結果を求められるのに対して、社員は社長や会社に成果結果を求められています。
成果結果に対する責任は、経営者は、社員だけでなく、多くのステークホルダーに対して負うのに対して、社員は会社に対して負う。

 

ここで注意して欲しいのは、責任の影響の大小を言っている訳ではないということです。どちらの責任も重大なんです。

経営者も社員も、それぞれの立場で自立して責任を果たし、協調はするけど依存しないことを社内で確認することをお勧めします。

会社が厳しい状況の時こそ、お金に対してだけでなく、社内に対してどう社長が接していくのかが、再建や復活する
ために重要な要因となります。

経営者は孤独ですが、独善的に突っ走っても苦しいだけです。社内や身内には話せない思いをお聞かせください。多くの経営者と共に歩んできた私だからこそ、理解してどう対処していけばいいのか。理解できることもあろうかと思います。

 

ご相談お待ちしております。ここまでお読みいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。


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