収入の減少やご家族の病気などの理由で、住宅ローンを返済するのが難しくなってしまうことがあります。
そのような場合に、ローンの残債が残っている状態でも、債務者が有利な形で不動産を売却するための方法として「任意売却」があります。
今回は、任意売却の基本的な手続きについて解説します。
ローンの滞納でお困りの方は、この記事を参考に今後の生活の巻き返しを図りましょう。
□任意売却の基本的な手続きと必要書類について
任意売却がどのような流れで行われていくのか、具体的な流れを見ていきましょう。
まずは、不動産の価格査定とローンの残債を確認します。
任意売却は、残債の方が不動産の売却予定額よりも高い場合にのみ行うものです。
そのため、ローンがどれくらい残っているかを確認し、不動産にどれくらいの価格がつくかを査定してもらいましょう。
続いて、任意売却を債権者に承諾してもらいます。
任意売却するためには、債権者である金融機関の承諾が絶対条件です。
信憑性と実現性のある査定価格を提示して、任意売却に同意してもらいましょう。
債権者の同意が得られれば、売却活動を開始します。
買主候補の方が内覧を希望する場合があるので、できるだけ物件はきれいな状態にしておきましょう。
買主が決まり次第、債権者に「購入申込書」と「売買代金配分表」を提出し、買主と売買契約を締結して物件を引き渡します。
もし、売却代金の一部を引っ越し費用に充てるのであれば、事前に交渉しておきましょう。
売却が完了したら、ローンの残債を整理します。
場合によっては任意売却後も残債が残ってしまうこともあり、その際はローンを引き続き返済していかなければいけません。
無理のない範囲で返済できる金額を、債権者と相談して設定しましょう。
□任意売却にかかる期間はどれくらい?
任意売却で失敗しないためには、「どれくらいの期間がかかるのか」と「任意売却できる期限」をしっかり押さえておくことがとても大切です。
そこでここからは、任意売却の期間とタイムリミットについてお伝えします。
任意売却では、売却活動の開始から完了まで、最短でもおよそ3~4ヵ月ほどかかります。
物件の条件や価格にもよるので、あくまで目安の期間として参考にしてください。
また、任意売却できる期間にはタイムリミットがあります。
任意売却は、裁判所の競売手続きと同時進行で行われるため、競売開札の前日までが任意売却できる期限です。
ただし、期限に近づけば近づくほど、債権者の競売申し立ての取り下げ手続きが間に合わなくなる事もあるだけでなく、売却価格の調整期間が短くなるため売却活動は不利になってしまいます。
そのため、できるだけ早めの行動を意識して、余裕をもって売却活動に臨みましょう。
□まとめ
任意売却をすることによって、ローンの残債を返済しやすくなります。
少しでも良い条件で売却するためにも、今回お伝えした任意売却の手続きをしっかり押さえたうえで、売却活動を始めましょう。
任意売却で不安な点がございましたら、知識と経験豊富な当社の不動産コンサルタントにお任せください。