離婚時に住宅ローンと養育費を相殺できるのかについて解説します!


離婚をする際に、住宅ローンを養育費の代わりに支払うことを「相殺」する、と表現しますが、実情がどのようなものかよく分かりませんよね。
今回は、養育費の相殺とその注意点について紹介します。
ぜひ参考にしてください。

□離婚のとき、住宅ローンで養育費は相殺できるの?

結論から言うと、住宅ローンを養育費の代わりとして支払うことは可能です。

しかし、これは当事者である夫婦双方の合意のもとで行われる必要があります。
一方的な意思表示の場合、民法第881条によると養育費請求権を含む扶養請求権は処分できないとされています。

そのため、これは差し押さえ不可能な差押禁止債権に当てはまります。
この差押禁止債権は民法第510条に基づき、法的な相殺は認められません。

そもそも、住宅ローンは債務者である親が金融機関に支払うべきもので、養育費は子どもが親に対して求める権利であるため、当事者間での債権債務が対立していません。
そのため「相殺」という言葉自体はあまり適切ではないかもしれません。

□住宅ローンと養育費の「相殺」をする際の注意点

*住宅ローンの支払いが滞った場合

たとえば、妻子がそのまま家に住んで、離婚した夫が養育費の代わりに住宅ローンを支払う場合、夫が住宅ローンの支払いを滞納してしまうと、家を失ってしまうかもしれません。
理由は、家賃を滞納してしまうと家が競売の対象になってしまい、追い出されてしまうからです。

*住宅ローンが残っている場合

住宅ローンが残っている状態で家の名義を独断で変更しても、家を名義変更後の人の財産にすることは不可能です。
名義を変更するには、自分でローンを組んだうえで名義を変える必要があります。

離婚という事情は金融機関には関係ないことです。
そのため、金融機関に直接名義変更を申し入れても、承諾されません。

また、金融機関に黙って名義を変更した場合には契約違反として扱われてしまいます。
契約違反をした場合、住宅ローンの一括返済を求められて養育費との相殺どころではなくなってしまうでしょう。

以上のような思いがけない事態になってしまわないように、離婚後の住宅ローンの扱いに注意が必要です。

□まとめ

今回は、住宅ローンを養育費の支払いで相殺するときの注意点を紹介しました。
知らなかったところも多かったのではないでしょうか。
当社では、豊富な経験と実績をもとに低コストでお客様と解決の糸口を見出します。
資金繰り・事業再生・任意売却などに関する疑問点があればぜひ、当社までお気軽にご相談ください。