同じ基準で評価されるという考え方


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日頃、各経済指標を調べて分析し自社の経営計画に活かすという事は日々の業務に忙しく時間が割きづらいと思いますので、私の普段の活動の中から一部を共有させて頂きお役に立てれば幸甚です。

GDPと人口統計指標を中心に、企業経営に活かせる周辺統計資料をクロス解析してお届けしております。

今回も平成30年11月14日に発表させれたGDP速報値に焦こと点をあててみていきましょう。報道では四半期2期ぶりにマイナスというフレーズがキャッチアップされて報道されています。前期1-3月期が年率マイナス1.2%(1次速報値では0.6%)、4-6月期が3.2%(一時速報値では年率1.9%)のプラスで今回の7-9月期がい次速報値で年率マイナス1.2%という事です。

前期1-3月期のマイナス要因は統計資料では、住宅や民間設備投資の減退が顕著でした。家計消費支出はさほどマイナスに振れていなくても、その時の報道では、野菜の高騰やスマートフォンの消費低迷などを原因として景気にブレーキがかかったとして家計消費の減退が要因のように受け取れる内容でした。

4-6月期のプラス要因は統計資料では、民間の設備投資が大幅に伸び、家計支出も緩やかに伸びて民間の最終消費支出が伸びていることでした。報道ではこのあたりから今回は必ず消費税を10%に上げる。とされ、アベノミクスの成功を大々的に取り上げていました。

7-9月期のマイナスの要因は統計資料では国内需要と輸出の低下です。報道では、災害による民間の消費の減速が大きな要因だとしています。

 

内閣府 四半期別GDP速報 2018年7-9月期・1次速報(2018年11月14日)より抜粋


 GDPの総額は現在約540兆円。これを600兆円にするというのが安倍首相が示唆する日本経済のグロス目標です。

このGDPの金額が、日本の総人口約1億2,600万人、労働人口約5,600万人で生産して支出して分配する総額なのですが、生産において人手不足だといいます。

ほぼ全産業の労働力が不足していると言われています。特に取り上げられているのは、介護や建設、飲食、農業です。

労働力を、外国人技能実習制度を利用して来日している外国人に、今までも補って貰っているし、これからもその枠を拡大していくという方向性です。

日本の人口減少で労働力人口も減っていますから、人手不足の解消には必要な施策だと思います。日本人の一つの就業に定着しない環境も出てきている気がしますから、なおさら人手不足が改善されないような気もします。

外国人技能実習制度の活用も、評価において日本人も外国人もなく、同じ基準で評価されて初めて皆が納得出来る施策です。

労働力の対価は外国人も日本人も『同じ基準』であるべきです。同じ基準という事は、良く働き成果をだせる人はより多くの対価を得て、適当に働き成果が充分出せない人は、成果のだせる人たちより対価が少ない。という本質的な基準です。外国人という理由だけで賃金が低いというのは、同じ基準になっていません。

一方で、同一労働同一賃金に対する考え方も似ているように思います。

仕事を良くする人も、しない人も、コミュニケーションが良く取れて仕事効率の上げられる人も、コミュニケーションが取りにくく仕事の効率が悪くなってしまう人も、成果が出せる人も、出せない人も同じ職場、職種にいるからというだけで、同じ賃金という考え方に至るのも基準がおかしいのです。

 雇用する側も雇用される側も、その会社、事業を通じて世の中に貢献することで利益を得て(生産)、分配して、皆が消費を増やして豊かさを享受する(支出)。その規模を大きくすることで、より多くの人に活かしていくというGDP的考え方に合わせていけば、『同じ基準』という価値観を、公平不公平、平等不平等という価値観と混同しなくなると思います。

 会社も個人も、自らを成長させ続け、他者に感謝し貢献してこそ、求めるものが得られるようになるのだと思います。まずは自ら動きましょう。


総務省 労働力調査(詳細集計) 平成30年(2018年)7~9月期平均(速報)結果 平成30年11月6日公表 より抜粋


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